スマートフォンのiPhone(アイフォーン)など、米アップル製の端末に搭載されているデータ通信機能「AirDrop(エアドロップ)」を悪用し、地下鉄で乗り合わせた面識のない人に女性の裸の画像を送りつけたとして、福岡県警早良署は20日、福岡市西区の会社員の男(37)を県迷惑防止条例違反容疑で福岡区検に書類送検した。

 「エアドロップ痴漢」と呼ばれる同様の手口の犯罪は全国で相次いでおり、県警は注意を呼びかけている。

 送検容疑は7月5日午後8時45分ごろ、同市中央区を走行中の地下鉄車両内でエアドロップを使い、近くにいた男性(34)のスマホにわいせつ画像を送ったとしている。男は「受信した相手の反応が見たかった」と容疑を認めている。

 エアドロップは、アイフォーンやタブレット端末のiPad(アイパッド)などアップル製の端末に標準搭載されている。半径約9メートル以内にいる不特定多数の人に写真や動画、連絡先のデータなどを送信し、共有することができる。

 あらかじめスマホに登録している相手のみとデータをやり取りする設定にもできるが、初対面の人と連絡先を交換する時などのために相手を限定しない設定にしている人も多い。受信した画像などは受け取りを拒否できるが、拒否する前の操作画面上に画像が表示される。

 被害に遭った男性は一度は拒否したが、繰り返し画像が送られてきたので証拠を残すため受け取り、近くでアイフォーンを操作していた不審な男を尾行しながら110番した。

 県警によると、「エアドロップ痴漢」は大阪や兵庫でも摘発されている。わいせつ画像を送られてきた際の面識のない女性の反応を楽しむ目的で、女性が狙われるケースが目立つという。【中里顕】


 iPhone(アイフォーン)などに搭載されているデータ通信機能「AirDrop(エアドロップ)」を悪用し、面識のない人に女性の裸の画像を送りつけたとして、福岡県警早良署は20日、福岡市西区の会社員の男(37)を県迷惑防止条例違反容疑で福岡区検に書類送検した。「エアドロップ痴漢」と呼ばれる同様の手口の犯罪は全国で相次いでおり、県警は注意を呼びかけている。

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 「突然、アイフォーンに画像が表示されて」。埼玉県の会社員の女性(33)は、「エアドロップ痴漢」被害に遭った昨年6月のことを鮮明に覚えている。

 午前8時ごろ、東京都北区内を走るJRの車両は通勤・通学の人たちで満員だった。いつもと変わらぬ出勤途中の朝。女性のアイフォーンに男性の下半身を写した画像が表示された。女性は思わず画面を背けた。

 しかしその画面を周囲に見られるのも嫌だ。すぐに受信を拒否し、驚きながらも「気持ち悪いと思ったけれど、送り先を間違えたのだと思った」。しかし即座に同じ画像が再び届き、表示された。「自分は特定されているのだろうか」。パニックになりながら再び拒否した。3度目はなかった。

 事件以降はエアドロップの設定を「受信しない」にしており、同様の被害には遭っていない。「事件前からエアドロップは利用していたが、当時は『エアドロップ痴漢』なんて言葉も知らなかったし、突然悪用されるなんて思いもしなかった」と振り返る。被害が相次いでいると知ったのは、約1カ月後にテレビでニュースを見たときだった。

 「大人の自分でも本当に気持ち悪くて嫌だったが、もし中学生や高校生のような少女が受けたらトラウマになってしまうのではないか」。自分と同じような被害がなくなってほしいと強く願っている。【佐野格】


 アイフォーンなどに突然、わいせつな画像が送り付けられる「エアドロップ痴漢」。被害にあったという声はSNS(ネット交流サービス)などインターネット上に書き込まれ、各地で被害が相次ぐ実態が浮かんでいる。

 ITジャーナリストの三上洋さん(54)によると、電車など車両内で被害者の反応を見て楽しもうとするいたずら目的が多い。設定によっては端末に登録した氏名が犯人に伝わることから、女性とみられる名前だと狙われやすいという。

 三上さんは「事例としては以前からあったが被害が増えているのはここ1、2年ではないか」と指摘する。エアドロップは2011年以降、アップル製端末に順次搭載された。端末同士で直接やりとりするため通信料が発生せず、節約をしたい中高生や職場での私的なやりとりにも使われるようになっている。利用拡大が被害を招いている可能性がある。

 ただ、設定に注意すれば被害防止は可能だ。エアドロップの設定は「受信しない」「連絡先のみ」「すべての人」の3段階。「受信しない」か、連絡先に登録した人のみと通信する「連絡先のみ」を選んでおけば突然、見知らぬ人から画像などを送りつけられる心配はない。【佐野格】


 痴漢の新たな手口が広がっている。スマートフォンの“ある機能”を悪用したものだが、その「エアドロップ痴漢」をした疑いで会社員の男が書類送検された。

 メールアドレス忘れた時に便利なのが画像などを簡単に送れる機能だ。iPhone(アイフォーン)に搭載されているエアドロップという機能を使うと、近くにいるメールアドレスを知らない相手の携帯電話にも簡単に写真を送ることができる。これを悪用した男が摘発された。
 被害者は34歳の会社員の男性。先月5日、地下鉄の車内で何者かが送った画像を受信したという。現れたのは裸の女性の写真だった。送信した男は同じ車両にいた。37歳の会社員で、福岡県の迷惑行為防止条例違反の疑いで書類送検された。「相手の反応が見たかった」と話しているという。
 こうしたケース、被害者はどんな気持ちになるのか。東京の京浜東北線で同様の被害を受けた男性は…。
 京浜東北線で被害に遭った男性:「キョロキョロ見たんですけど、誰かと思って。犯人はその反応を楽しみたいだけだと思うので」
 一方、福岡の男性は証拠を残すため、あえてわいせつ画像を受信したという。容疑者の男を見つけた男性は同じ駅で下車し、警察に電話を掛けながら10分以上、尾行していたという。容疑者の男は男性に尾行されているとはつゆ知らず、商店街で警察官に職務質問されたということだ。こうした痴漢の摘発は福岡県内では初めて。警察は受信の設定を変えるなどの対策を呼び掛けている。
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