2025年国際博覧会(万博)の大阪開催を実現するための誘致費用が、官民合わせて約36億円に上っている。これで各国を訪問して要人に支持を求めたり、国内でイベントを開催して機運を高めたりしている。旗振り役の松井一郎大阪府知事は「2兆円の経済波及効果を実現するための必要経費だ」と理解を求めている。

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 国や大阪府・市、経済界に取材して16~18年度分を集計した。人件費は含んでいない。約36億円のうち行政が負担したのは、国(経済産業省、外務省)の約26億円と、大阪府・市の約4億円。イベントの規模が異なるため単純比較できないが、20年東京五輪・パラリンピックの招致活動には総額88・5億円かかった。

 大阪万博に向けた国の支出は、博覧会国際事務局(BIE)総会でプレゼンテーションを実施したり、海外の日本大使館で要人を招いた会合を催したりするために使った。

 一方、大阪府・市と関西経済連合会は、官民で設立した誘致委員会に対して計3・7億円を拠出。誘致委には、1970年大阪万博の収益を含む基金を管理する公益財団法人関西・大阪21世紀協会が3億円を寄付しており、計6・7億円を活動費に充てた。大阪府・市と関経連には、誘致委を経由しない支出もある。

 25年万博には、日本、ロシア、アゼルバイジャンの3カ国が立候補しており、23日にパリで開かれるBIE総会で加盟国の投票によって開催国が決まる。【宇都宮裕一】



 ◇「カジノ誘致を目的とした違法な支出」として

 大阪府と大阪市が開催を目指す2025年国際博覧会(万博)はカジノ誘致を目的とした違法な支出だとして、府と市の住民グループが20日、今後の公費支出の差し止めと、既に支出した費用を松井一郎知事に賠償請求するよう求め、府に住民監査請求の書面を提出した。吉村洋文市長についても同様の対応を求め、市に監査請求した。

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 府市は、万博の会場候補地の夢洲(ゆめしま)にカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致し、24年開業を目指している。

 住民グループ事務局の井上善雄弁護士らは監査請求で「万博は夢洲をIR用地とすることを目的としたものだ」と指摘。夢洲は地震や高潮などの災害対策が不十分として「災害が起きれば、地盤沈下や建物倒壊の危険性が著しく高く、多くの人命を奪う」などとしている。【岡崎大輔】
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