【ロンドン時事】アフリカ南部ジンバブエを建国以来、約38年にわたって統治してきたムガベ大統領(93)が21日、辞任した。

大統領弾劾に現実味=情勢緊迫の恐れ-ジンバブエ

 この日、大統領弾劾手続きを開始した議会のムデンダ議長が発表した。ムガベ氏が議会に辞任の意思を示す書簡を送付したという。

 ムガベ氏は1980年の英国からの独立後、強権的な手法で支配を続け、体制に大きな揺らぎはないとみられていた。だが、ムガベ氏が最近、グレース夫人(52)を後継に据える動きを強め、もともと大統領の座が禅譲されるとみられていたムナンガグワ前副大統領(75)を解任した。これを受け、前副大統領に近いとされる国軍指導部が15日に「反乱」を起こし、ムガベ氏を軟禁下に置いていた。

 ムガベ氏の後任にはムナンガグワ氏が有力視されている。

 議会は21日、ムガベ氏がグレース夫人への権力委譲を狙い、「憲法上の権限を悪用した」ことなどを理由に、弾劾手続きを開始。首都ハラレでは、大勢の市民らが大統領辞任を求め、通りに繰り出していた。 


 【ハラレ小泉大士】アフリカ南部ジンバブエのムガベ大統領(93)は21日、辞任した。ムガベ氏は1980年の独立以来、37年間にわたって実権を握り続けてきた世界最高齢の首脳。「独立の英雄」として評価される一方、政権維持のために野党を激しく弾圧し、欧米諸国から独裁的と批判されてきた。ムナンガグワ前第1副大統領を中心とした暫定政権が発足する見通し。

 与党は21日、議会に弾劾決議案を提出。だがその後、弾劾審議が中断され、議長が「円滑な権限移譲のために大統領職を辞任する。辞任は即時に効力を持つ」というムガベ氏からの書簡を読み上げた。

 国軍が14日から15日未明にかけて政府の主要拠点を包囲して以降、ムガベ氏は妻グレース氏(52)とともに自宅軟禁状態に置かれていた。ムナンガグワ氏を後継に指名するよう求める国軍に対し、ムガベ氏は2018年8月までの任期全うを主張して即時辞任を拒絶していた。

 だが、ムガベ氏の退陣を要求する国民の大規模デモが起き、19日には与党がムガベ氏の党首職を解任し、20日正午までに辞任しない場合は弾劾手続きに入ると通告。退陣が不可避な状態に追い込まれたムガベ氏は、最終的に権限移譲に同意した。


 アフリカ南部ジンバブエの国会議長は21日、ムガベ大統領(93)が辞任したと発表した。 ロイター通信などが報じた。1980年の独立以来、37年に及んだ長期支配は終幕を迎えた。事実上のクーデターを起こした軍幹部や「身内」の与党幹部に退任を迫られ、これを受け入れた形だ。

 与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)は19日の緊急会合で、ムガベ氏の党首解任を決定。新党首には、副大統領を解任されたばかりのムナンガグワ氏(75)を選んだ。ムガベ氏の妻グレース氏(52)や複数の側近の党からの追放も決めた。

 ムガベ氏はジンバブエを独立に導いた「英雄」だ。だが、独立で実権を掌握すると強権統治を進め、ぜいたくな私生活も相まって「独裁者」と批判されてきた。来年の大統領選にも立候補を表明していたが、健康状態を不安視され、後継に注目が集まっていた。

 ムガベ氏は今月上旬、後継が有力視されていたムナンガグワ氏を突如解任。妻のグレース氏に「禅譲」するためだったとされる。これにムナンガグワ氏を支持する軍幹部が反発。軍が15日、首都にある国営放送局を占拠するなど政府中枢を掌握し、ムガベ氏を自宅軟禁状態に置いていた。(ハラレ)


 【ハラレ=木村達矢】ロイター通信などによると、アフリカ南部ジンバブエの ムガベ大統領(93)は21日、議会の議長あてに辞表を提出し辞任した。

 議会は同日、ムガベ氏の弾劾(だんがい)手続きに着手していた。1980年の建国時から37年にわたり同国を独裁的な手法で統治してきたムガベ氏は、軍や側近らの離反を受けて辞任に追い込まれた。

 ムガベ氏は辞表の中で「円滑な権力移行を進めるため自発的に辞任する」と表明したという。

 ムガベ氏の辞任により、与野党が参加する暫定政権が設けられ、次期大統領選が行われる見通しだ。後任には、今月6日にムガベ氏に解任されたムナンガグワ前副大統領(75)が有力視されている。

 首都ハラレの議会周辺には大勢の市民が繰り出して、国旗を掲げたり、車のクラクションを鳴らしたりしてムガベ氏の辞任を歓迎している。


 ◇ムガベ大統領が辞任 37年間実権、独裁に幕

 【ハラレ小泉大士】植民地解放闘争の英雄として1980年の独立以来、37年間実権を握り続けてきたアフリカ南部ジンバブエのムガベ政権が崩壊した。自身の後継問題を巡って、長期独裁体制を支えた国軍の反発を招いて辞任に追い込まれた。

 ムガベ氏は93歳と高齢ながら意中の後継者を明確にせず、与党内では派閥争いが先鋭化していた。有力候補とみられた大物が政権を去る中、ここ数年で急速に影響力を拡大させてきたのが妻のグレース氏(52)だった。

 グレース氏は大統領就任の野心を隠さず、軍内からも支持を得るムナンガグワ前第1副大統領(75)と対立。ムガベ氏が今月6日、妻への政権移譲に道を開くためムナンガグワ氏の解任に踏み切ったことで、事態が急展開した。

 解放闘争を戦った40年来の盟友であるムナンガグワ氏をないがしろにしたムガベ氏の姿勢は、国軍には看過できなかったようだ。窮地に立たされたムガベ氏は、来年8月までの任期を全うしようと抵抗を続けたものの、多くの国民が集会で退陣を要求し、最後は与党からも見捨てられる形で、辞任を了承した。

 関係者の話からは、国軍が「ポスト・ムガベ」を見据えた準備を以前から進めていたことがうかがえる。国内経済は破綻状態が続いており、2008年の超インフレの再現が不安視されていた。ジンバブエ情勢に詳しい専門家は「兵士や公務員の給料も払えないような末期症状に加えて、ムガベ氏が身内びいきを鮮明にした」ことが国軍による事実上のクーデターにつながったと指摘している。


 【カイロ=佐藤貴生】ロイター通信は21日、ジンバブエ議会の議長が、ムガベ大統領(93)が辞意を表明したと語ったと伝えた。議会に宛ててムガベ氏の大統領辞任の意をしたためた書簡が提出されたとしている。議長は弾劾をめぐる審議を中断し、議員らは大きな喜びに沸いたとしている。

 ジンバブエ与党は21日、議会にムガベ氏の弾劾決議案を提出。審議が始まった直後の出来事だった。ロイターは順調に進めば週内にも解任されるとの見通しを示していた。軍が大統領を自宅で軟禁状態においてから約1週間で、ムガベ体制は崩壊する見通しとなった。ムガベ氏は1980年のジンバブエ独立と同時に首相に就任し、87年から大統領となった。世界最高齢の首脳とされた。


[ハラレ 21日 ロイター] - ジンバブエ議会のムデンダ議長は21日、ムガベ大統領(93)が辞任したことを明らかにした。

ムガベ氏は1980年の独立以来37年間実権を握っていたが、前週に軍が蜂起。同氏が辞任要求に応じなかったことを受け、与党のジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU─PF)は同氏に対する弾劾決議案を議会に提出し、議会で手続きが始まった直後にムガベ氏は辞任を表明した。

ムガベ氏は辞任を表明する書簡で後任は指名せず、ムデンダ議長は22日までに後任が決まるよう法的手続きを進めていることを明らかにした。

首都ハラレではムガベ氏の辞任を受け、車のクラクションを鳴らすなどして同氏の統治が終わったことを歓迎する国民の姿が見られた。