毎日新聞は22、23両日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は26%で、6月の前回調査から10ポイント減。不支持率は12ポイント増の56%だった。支持率が20%台になったのは2012年12月の第2次安倍内閣発足後、初めて。安倍晋三首相の自民党総裁任期が来年9月に終わることを踏まえ、「代わった方がよい」との回答は62%(3月調査は41%)で、3期目も「総裁を続けた方がよい」の23%(同45%)を大きく上回った。首相の政権運営は厳しさを増している。

 首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」による国家戦略特区を利用した獣医学部新設計画を巡り、政府のこれまでの説明を「信用できない」は76%に達し、「信用できる」は11%。内閣支持層でも「信用できない」(49%)が「信用できる」(36%)よりも多かった。首相は24、25両日、衆参両院予算委員会の閉会中審査で、加計学園の計画に自身が関与していないことを説明する考えだ。

 調査では「安倍1強」の政治状況についても聞いた。「自民党から安倍首相に代わる人が出てきてほしい」が31%で最も多く、「野党から首相に対抗できる人が出てきてほしい」は25%、「新しい政党や政治団体から首相に対抗できる人が出てきてほしい」は23%。「安倍首相が強いままでよい」は7%にとどまった。自民支持層では「安倍首相に代わる人」が51%を占め、「ポスト安倍」への期待をうかがわせた。

 支持率は2カ月連続で10ポイント下落し、与党内では憲法改正論議への影響を懸念する声も出始めた。今回の調査で、首相が目指す20年の改正憲法施行について、議論を「急ぐ必要はない」は66%、「急ぐべきだ」は22%。首相が5月に改憲方針を表明した後、慎重論は調査のたびに増えている。憲法9条の1項と2項をそのままにして、自衛隊の存在を明記する首相の改正案に関しては、「反対」が41%(前回比5ポイント増)、「賛成」が25%(同2ポイント減)、「わからない」が27%(同3ポイント減)だった。

 政党支持率は、自民25%▽民進5%▽公明3%▽共産5%▽維新2%--など。「支持政党はない」と答えた無党派は52%だった。【池乗有衣】

 ◇調査の方法

 7月22、23日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に、調査員が電話をかけるRDS法で調査した。福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村と、九州北部豪雨で被害を受けた福岡、大分両県の一部市村の電話番号は除いた。18歳以上のいる1627世帯から、1073人の回答を得た。回答率は66%。


 毎日新聞の全国世論調査で内閣支持率が続落し、26%になったことを受け、菅義偉官房長官は23日、「謙虚に受け止めたい」と記者団に語り、経済再生に取り組んで政権の信頼回復に努める考えを示した。自民党の派閥会長の一人も「支持率回復は簡単ではない。一つ一つ努力を積み重ねるしかない」と述べた。

 ただ、安倍政権の経済施策「アベノミクス」は曲がり角を迎えている。安倍晋三首相が秋の臨時国会の重要課題に掲げる「働き方改革」は、一部の専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」を巡って、連合の組織内の調整が難航。政労使合意が遅れそうな気配だ。公明党幹部は「政策はいっぱいいっぱいだ。経済で持ってきた内閣なので、今後どうすればいいのか」と漏らした。

 東京都議選中に失言したうえ、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊の日報問題が再燃した稲田朋美防衛相を安倍首相が更迭しなかったことを指摘する声もある。ある閣僚経験者は「本人が辞表を出さない限りどうしようもないが、周りがなんとかすべきだった」と語った。

 野党は勢いづいている。共産党の小池晃書記局長は「安倍政権は持続できない状況だ」と述べ、早期の衆院解散・総選挙を要求。「野党の共闘を加速させていくことが急務だ」と強調した。

 民進党の山井和則国対委員長は、学校法人「加計学園」の問題を挙げ「国民には真相を究明してほしいという思いが強い」と指摘。24、25両日の国会の閉会中審査の内容次第では、さらなる審議や関係者の証人喚問などを与党に迫る考えを示した。【田中裕之、真野敏幸】