福岡、大分両県に甚大な被害を出した九州北部豪雨の発生から19日で2週間となった。これまで両県で34人の死亡が確認され、なお福岡県内の7人(朝倉市6人、うきは市1人)が行方不明となっている。7人は「連絡がつかない人」とされてきたが、両市は同日、「2週間捜索しても発見できなかった」などとして行方不明者と判断した。

 28人の死亡が確認された朝倉市では同日、防災行政無線を使って市内全域に黙とうを呼びかけ、市民らが犠牲者の冥福を祈った。同市災害対策本部では、森田俊介市長らが午前9時の放送に合わせて1分間黙とうした。森田市長は「亡くなった方のご冥福を祈るとともに、7人の早期発見を願っている。失われたふるさとを取り戻すために全力を尽くす」と語った。この日も捜索活動を続けた自衛隊の隊員たちも黙とうをささげた。

 2週間たった今も、朝倉市の杷木地区では大半の1654世帯が断水している。大分県によると、豪雨による被害額は農林水産が40億円▽道路が60億円▽河川が80億円--などで15日現在で206億円に達し、既に熊本地震の同県の被害額を超えている。【中里顕、遠山和宏】


 九州北部豪雨から2週間となった19日、福岡県は大きな被害を受けた朝倉市と東峰村で計57戸の仮設住宅建設を始めた。豪雨被害後、仮設住宅が建設されるのは初めてでようやく復興の動きが本格化した。約1カ月後の来月18日の完成を目指す。

 仮設住宅は朝倉市の杷木(はき)小グラウンドに40戸、東峰村では旧宝珠山小グラウンドに17戸を建設する予定。いずれも木造平屋建てで、集会所を設置して被災者の孤立防止を図る。東峰村ではうち2戸を車椅子の人が利用しやすいよう段差をなくし、入り口を広くするバリアフリー仕様にする。この日は各現場で仮設住宅の配置を決める作業が進められた。

 福岡、大分両県の避難者数(19日朝時点)は882人。住宅被害(同)は両県で、全壊102棟▽半壊34棟▽一部損壊65棟▽床上浸水147棟▽床下浸水325棟--の計673棟だが、自治体の調査は始まったばかりで大幅に増える見通しだ。【井上卓也】


 福岡、大分両県で大きな被害を出した九州北部豪雨は19日、発生から2週間となる。犠牲者は18日までに34人が確認され、30人が死亡した2012年の九州北部豪雨を上回っている。福岡県朝倉市ではなお7人と連絡が取れず自衛隊などが懸命の捜索活動を続けているが、15日以降は遺体の発見がなく難航している。

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 死亡が確認された34人は全員の身元が判明し、このうち5人は福岡、佐賀両県の有明海で見つかるなど発見場所は広範囲に及んでいる。16日に佐賀県みやき町の筑後川の川岸で見つかった男性も豪雨と関連がある可能性があり、県警などが身元の確認を進めている。

 一方、福岡、大分両県では18日夕方時点で826人が避難生活を送っている。17、18日は朝倉市で雨が降って避難指示が2日連続で出され、捜索やボランティア活動も中断。住民も再び避難を強いられ疲れた様子を見せた。福岡県内では19日も雨が予想され、午後6時までの24時間雨量が多いところで80ミリ、1時間あたりで40ミリに達する見通し。

 また福岡県は18日、朝倉市と東峰村の応急仮設住宅の建設に19日から着工すると発表した。朝倉市の杷木小学校運動場に40戸、東峰村の旧宝珠山小学校運動場に17戸を建設。工期は約1カ月で8月19日以降に入居できる。入居期間は最長2年。仮設住宅の近くには集会所も建設する。さらに朝倉市は18日、家屋被害の調査を始めた。「全壊」や「半壊」などの状況を判定し、被災者生活再建支援金の支給が受けられる罹災(りさい)証明書の発行につなげるためで、この日から発行業務も開始した。

 国土交通省は同日、豪雨で大きな被害が出た朝倉市の3河川について、県に代わって緊急的な復旧工事を実施すると発表した。今年6月に創設された権限代行制度に基づくもので、全国で初めての適用となる。【遠山和宏、西嶋正法】