[ロンドン/カイロ/ベルリン 7日 ロイター] - イランの首都テヘランで7日、国会議事堂とイスラム革命指導者のホメイニ師をまつる霊廟(れいびょう)が襲撃を受け、少なくとも12人が死亡した。

革命防衛隊は、サウジアラビアが事件に関与したと非難した。

イランのゾルファガリ内務次官の説明内容を伝えた報道によると、武装グループは女性の格好をして議事堂に突入し、1人が自爆したという。

約5時間後に議事堂を襲撃した4人が死亡、事件は収束したと地元メディアが伝えた。  

議事堂襲撃の直後、テヘランの南方にあるホメイニ廟近くでも襲撃が発生。1人が自爆し、もう1人は射殺されたもようだ。

情報省は、3度目の襲撃を計画した別の「テロリスト集団」を、治安部隊が拘束したと明らかにした。

過激派組織「イスラム国(IS)」は、国会議事堂とホメイニ廟での襲撃で犯行声明を発表した。同組織がイラン国内での襲撃について犯行声明を出したのは初めてとなる。 

同組織は、戦闘員5人がライフル銃や手投げ弾などで犯行に及んだとし、イスラム法(シャリア)が実行に移されるまで、「流血の機会を逃すことは無い」と、国民の多くを占めるシーア派にさらなる攻撃を予告した。

今回の事件は、イランや武装集団を支援しているとして、サウジアラビアなどがカタールと断交した後のタイミングで起きた。

サウジアラビアのジュベイル外相は、犯行に及んだ者について知らず、自国過激主義者の関与を裏付ける証拠は存在しないと述べ、自国の関与を否定した。


 【カイロ時事】イランの首都テヘラン中心部にある国会議事堂と南郊外にあるイラン・イスラム革命の指導者、故ホメイニ師を祭る聖廟が7日、武装集団に襲撃された。

〔写真特集〕イランの軍事力

 イラン情報省は「テロ」と断定。過激派組織「イスラム国」(IS)が系列メディアを通じて犯行を主張し、襲撃時に実行犯が議事堂内部の様子を撮影した動画も公開した。ISの犯行とすれば、イランでのテロは初めてとみられる。

 イランの救急当局者によると、同時テロで計12人が死亡、42人が負傷した。死者に実行犯が含まれているかは不明。

 イランはイスラム教シーア派が国教で、ISを含むスンニ派系のイスラム過激派は敵意をむき出しにしている。ただ、テヘランの治安は比較的安定しており、テロや銃撃事件の発生はまれだ。

 イランのメディア報道によると、議事堂では自動小銃などで武装した集団が女性に扮(ふん)して構内に侵入し、銃を乱射。その後、実行犯1人が自爆し、もう1人が自爆前に突入した治安部隊に射殺されたという。治安部隊はその後、ほかの容疑者2人を殺害し、議事堂を制圧した。

 イランでは、女性は公の場で頭部や全身を覆うスカーフを着用する習慣がある。警備員らは容易に不審人物を見分けられず、侵入を許したとみられる。

 また、イマーム・ホメイニ国際空港に近いホメイニ師の聖廟でも何者かが銃を乱射した。内務省などによると、襲撃した容疑者は2人で、1人は銃撃戦で死亡し、もう1人は自爆した。

 情報省は、議事堂と聖廟のほかにもテロ襲撃の企てがあったが未然に防いだことを明らかにした。体制護持を担う精鋭部隊「革命防衛隊」は声明で「今回のテロは米大統領と後進的な首脳らの会合の直後に起きた。無実の流血には必ず報復する」と述べ、敵対する米国やサウジアラビアなどが犯行の背後にいると主張した。トランプ米大統領は5月下旬、サウジを訪問し、同国を含む湾岸協力会議(GCC)諸国と首脳会議を行った。 


 【ドーハ=中西賢司】イランの首都テヘランで7日午前、武装した4人組が国会議事堂を襲撃した。

 革命指導者ホメイニ師をまつったテヘラン近郊の「イマーム・ホメイニ廟(びょう)」にも武装した2人が押し入り、治安部隊と交戦となった。イラン内務省は2か所で計12人が死亡し、42人が負傷したとした上で、事態を鎮圧したと発表した。同省はテロリストによる犯行だと断定している。

 イスラム過激派組織「イスラム国」系のアマク通信は7日、「『イスラム国』の戦士がイラン国会とホメイニ廟を攻撃した」との犯行声明を伝えた。イスラム教シーア派のイランは、スンニ派の「イスラム国」の掃討作戦をシリアとイラクで強化している。今回のテロは、それに対する報復だとの見方もある。


 【エルサレム=佐藤貴生】イランの首都テヘラン中心部の国会議事堂と郊外のホメイニ廟で7日午前、複数の犯行グループによる同時多発的な襲撃事件が起きた。ロイター通信などによると、少なくとも12人が殺害され、多数の負傷者が出ているもようだ。治安当局は実行犯を射殺するなど完全制圧した。

 イラン政府は、襲撃事件を「テロ攻撃」と断定した。また、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)は同日、系列ニュースサイトを通じて犯行声明を出した。

 議事堂では自動小銃などで武装した集団が侵入し、銃を乱射。少なくとも警備担当者1人が死亡し、犯人のうち1人が自爆したとの情報がある。それから約30分後に国会から数キロ離れたホメイニ廟でも襲撃事件が発生した。

 イラン政府は、3件目の襲撃事件を計画していたテログループを拘束したと明らかにした。イランはイスラム教シーア派の大国で、これまで国内でテロの発生が比較的少なかった。

 日本政府筋は7日、イランでおきた一連の襲撃事件に関し「現時点で邦人の被害はない」と述べた。


 イランの首都テヘランで7日午前(日本時間同日午後)、国会と、初代最高指導者、故ホメイニ師をまつる廟(びょう)が武装集団にほぼ同時に襲撃される事件が起きた。イラン政府によると、警備員ら12人が死亡、42人が負傷した。武装集団は国会職員を人質に国会内で立てこもったが、射殺された。過激派組織「イスラム国」(IS)系のアマク通信は同日、「IS戦士が襲撃した」とする事実上の犯行声明をだした。

 イラン政府は両事件をテロと断定。テヘランでのテロは2005年6月に2人が死亡した爆弾テロ以来。イラン国内のテロで、ISが犯行を主張したのは初めて。ISの犯行が事実であれば、イランがイラクとシリアに革命防衛隊を派兵してISと戦い、ISがイランへの敵意を増幅させている事情が背景にあるとみられる。

 イラン政府の発表によると、国会を襲撃したのは4人組で、1人が自爆し、3人は射殺された。ホメイニ廟を襲撃したのは2人組で、銃を乱射し、女の服装をした襲撃犯が自爆し、もう1人は射殺された。

 アマク通信は「戦士が撮影した国会内のビデオ」と主張する動画も公開。オフィスの床に人が倒れ、複数の男が「我々が消え去るとでも思っているのか」などと叫ぶ声や銃声、警報音が聞こえる。実際に国会内で撮影されたかは不明だ。

 イランは人口約7900万人の9割がイスラム教シーア派で、スンニ派は1割の少数派。ISはスンニ派で、シーア派を敵視しており、イラクやシリア、サウジアラビア、クウェートで、シーア派のモスクや居住区を狙った爆破テロを繰り返している。

 米国の研究機関によると、イラクにあるISの地域組織は3月、イランのスンニ派に、イランの政権を攻撃するよう呼びかける動画を公開していた。この日の襲撃との関係は不明だ。(アルビル〈イラク北部〉=翁長忠雄、渡辺淳基)


 【エルサレム=佐藤貴生】イランの首都テヘランなどで7日、イスラム教シーア派最高指導者ホメイニ師が眠る廟と国会が相次いで襲撃された。

 けたたましいサイレンの音を響かせて現場に向かう警察車両。議会の建物の窓から体を乗り出し、救出した子供を地上に引き渡す警官。イランのメディアは緊張した現場の様子を生々しく伝えた。

 ホメイニ廟はテヘランから幹線道を南に下ったところにある。国際空港やシーア派の聖地コムにも近く、ホメイニ師のほかに元大統領のラフサンジャニ師の遺体も安置されている。

 1979年のイラン革命を主導したホメイニ廟は、「イスラム法学者による統治」を国是とするイランの現体制にとって最も重要な場所の一つだ。政府が大きな衝撃を受けていることは間違いない。

 先月19日の大統領選で再選を果たした穏健派のロウハニ師は当初、国際社会と対話する意向を表明したが、直後にスンニ派大国サウジアラビアを初外遊で訪問したトランプ氏は、「シリアのアサド政権を支援している」などとイランを批判。「核兵器の使用は決して許さない」とも訴え、イランが核兵器開発の野心を捨てていないとの疑念も明言していた。

 こうした米国の態度を受けてロウハニ師が融和的な姿勢をひるがえし、「イラン抜きで地域の安定が回復できるのか」と反論するなど、関係は冷え込んでいた。

 スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。イランをめぐっては最近、トランプ米大統領がテロ組織を支援しているなどと厳しく批判し、スンニ派諸国の団結を呼びかけていた。ISによる犯行が事実とすれば、国際的な宗派対立をあおり、存在感をアピールする狙いがうかがえる。


 ◇IS、動画も公開し「シーア派を狙った」

 イランからの報道によると、首都テヘラン中心部の国会議事堂と郊外の聖地ホメイニ廟(びょう)が7日、武装集団にほぼ同時に襲撃された。議事堂では犯行グループが人質をとって立てこもったが、治安部隊が突入し、約4時間半後に鎮圧した。容疑者の一部は自爆した。イラン内務省はテロと断定。地元メディアによると民間人ら少なくとも12人が死亡、42人が負傷した。

 イスラム教スンニ派を標榜する過激派組織「イスラム国」(IS)はインターネットを通じて犯行声明を出し、議事堂襲撃犯が撮影した動画も公開。「(敵視する)シーア派を狙った」「これから最悪のことが起きる」と警告した。ISの犯行なら、イラン国内では初めて。

 ロイター通信によると、イラン革命防衛隊は声明で、トランプ米大統領と「テロリストを支援する指導者ら」が会談して間もなくテロが起きたとして、事件の背後にスンニ派大国サウジアラビアの存在があると示唆した。

 シーア派大国のイランは、ISの掃討に向けた軍事作戦をシリアとイラクで展開している。劣勢に置かれたISが報復に出た可能性もある。

 在イラン日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報はない。

 イラン革命防衛隊に近いタスニム通信によると、議事堂襲撃は7日午前10時半(日本時間午後3時)ごろ発生した。女装した男ら4人が自動小銃などを乱射しながら建物内に侵入し、4人を人質に立てこもった。治安部隊が突入して容疑者3人を射殺、1人は自爆した。当時、国会は会期中で多数の議員らがいたが、安否は不明だ。

 内務省によると、約25キロ南のホメイニ廟でも実行グループが銃を乱射。1人は銃撃戦で死亡、1人が廟近くの路上で自爆した。廟にはイスラム革命(1979年)の父と言われる故ホメイニ師の遺体が埋葬されており、他国のシーア派信者も神聖視する場所だ。2009年にも自爆テロで負傷者が出た。

 ロイター通信によると、情報省は第3の襲撃を計画していた別のテロ集団を拘束したとしている。イランは治安当局による監視が厳しいことから治安は安定しており、首都でこうしたテロが起きるのは極めて珍しい。外国人は滞在中、宿泊施設にパスポートを預けることが義務づけられており、テロ組織が長期間潜伏するのは困難だ。ただ、国境には山間部を抜けて難民が不法越境できるルートもある。【田中龍士、カイロ篠田航一】