一般会計総額が97兆4547億円と過去最大の2017年度予算が27日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。

 第2次安倍政権以降では、3月20日に成立した14年度予算に次ぐスピード処理となった。

 安倍晋三首相は予算成立を受けて国会内で記者団に「予算の早期成立こそ最大の景気対策だ。経済の好循環を力強く回し、デフレからの脱出速度を上げていきたい」と強調。後半国会に関しては、子育て支援や農業改革などを挙げ、「重要法案の成立へ緊張感を持って丁寧な説明を心掛けていきたい」と語った。

 後半国会の焦点は、「共謀罪」の構成要件を改め、犯罪を計画・準備した段階で処罰可能にする「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に移る。野党は拡大解釈や過剰捜査の恐れが拭えないとみて成立阻止に全力を挙げる方針で、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地格安売却問題と併せ、政府への追及を強める構えだ。 


 一般会計総額が97兆4547億円と過去最大の2017年度予算は27日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。予算の年度内成立は2年連続。野党は後半国会でも、大阪市の学校法人「森友学園」(籠池(かごいけ)泰典理事長)への国有地売却問題や、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報問題などを追及する方針で、与野党の対立が続く見通しだ。

【図解】「共謀罪」「テロ等準備罪」

 民進党会派の舟山康江氏は本会議での討論で「政治への信頼を根底から覆す問題が相次ぎ、多くの審議時間が割かれた。政府の不誠実な姿勢が疑惑を深めている。顔を洗って出直してほしい」と政府を批判した。

 27日の参院予算委員会で安倍晋三首相は「1億総活躍社会の実現に向け、保育士や介護人材などの処遇改善や給付型奨学金の創設などの取り組みを確実に行う。未来を開く予算であり、最大の経済対策は17年度予算の早期成立だ」と意義を強調した。

 国会では今後、共謀罪の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案や、天皇陛下の退位に関する特例法案などの審議が焦点になる。【光田宗義】


 政府が国会に提出した2017年度予算案が27日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。一般会計の歳出規模は97兆4547億円で、保育士や介護職員の処遇改善や大学生向けの給付型奨学金の予算が盛り込まれたが、高齢化に伴う社会保障費の膨張や防衛費などの増大により、5年連続で過去最大を更新した。

【写真】参院本会議で新年度予算が可決、成立した=27日午後6時37分、国会、岩下毅撮影

 同日午前の参院予算委で安倍晋三首相は、「1億総活躍社会の実現や経済再生をはじめとした重要政策課題に(予算を)重点化した」と強調した。

 予算案成立で、後半国会の焦点重要法案の審議に移る。政府は、「共謀罪」新設法案や天皇陛下の退位に関する特例法案の成立をめざすが、野党は学校法人「森友学園」への国有地売却問題で追及を強めており、重要法案の審議に影響する可能性がある。


 政府は平成29年度予算を「最大の景気対策」と位置づけ、予算の総額は5年連続で過去最大を更新した。だが、税収が伸び悩む中、綱渡りの財政運営は変わらない。円安・株高の「トランプ相場」に陰りも見える中、補正予算編成を求める声も出かねず、財政再建の道は厳しさを増す。

 安倍晋三首相は27日夜、国会内で記者団に対し「今回の予算は未来を開く予算だ」と述べ、早期成立を歓迎した。

 歳出では、1億総活躍関連で保育士の処遇改善や返済不要の給付型奨学金の創設を盛り込み、特別会計を含め3兆円程度を計上した。社会保障費は高齢化で過去最大の32兆4735億円に上り、政権が重視する防衛費も5兆1251億円と初めて5兆円を突破した前年度当初から1.4%増えた。

 一方、歳入面では、安倍晋三政権下で伸びてきた税収のペースが落ち、29年度は前年度比約1千億円増の57兆7120億円にとどまる。このため、やりくりは無理を強いられた。

 低金利環境を生かして利払い費の算出金利を過去最低に設定して国債費を減らす一方、税外収入で外国為替資金特別会計の剰余金をすべて一般会計に繰り入れる「裏技」を駆使。結果として、新規国債発行額は34兆3698億円と、辛うじて前年度から減らした。

 政府は32年度に財政の健全性を示す基礎的財政収支の黒字化を目指すが、達成は困難になりつつある。(中村智隆)



 安倍晋三首相は27日夜、平成29年度予算が参院本会議で可決、成立したことを受け「予算の早期成立こそが最大の景気対策だと申しあげてきた。経済の好循環を力強く回し、デフレからの脱出速度を上げていきたい」と述べた。国会内で記者団に語った。

 首相は、後半国会で農政改革関連法案など重要法案の早期成立を目指すとの決意を表明。これまでの国会審議を振り返り、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題で紛糾したことに関して「残念ながら国会においては(重要法案の)議論があまりなされなかった」と語った。