第89回アカデミー賞授賞式が、現地時間2月26日(日)にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。

【写真を見る】史上最多ノミネートを果たした『ラ・ラ・ランド』

これまで賞レースでしのぎを削ってきたそれぞれの候補のなかから、Indiewire、Goldderbyなどの媒体を参考に、主要部門の受賞予測をまとめてみた。

昨年の「白すぎるオスカー」から一転し、今年アフリカ系アメリカ人(以下黒人)が携さわった作品は、過去最多の18ノミネートという記録を樹立。

そんななかで期待されているのが、バリー・ジェンキンス監督作でブラッド・ピットがプロデューサーを務める『ムーンライト』(4月公開)だ。

人種の多様化を掲げ、アカデミー会員には新たなメンバーが多数加わり、若返りつつあると言われているが『それでも夜は明ける』(13)以来となる黒人監督作の受賞が期待される一方で、黒人の受賞はほかのカテゴリーに任せ、オスカーではハードルが高いミュージカル『ラ・ラ・ランド』(2月24日公開)が、『シカゴ』(02)以来となる受賞を果たすかに注目が集まっている。

作品賞が『ラ・ラ・ランド』に、そして『ムーンライト』が脚色賞に、マット・デイモンがプロデューサーを務める『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(5月13日公開)が脚本賞に落ち着くのではないかとの見方が強いようだ。

監督賞も『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルと、黒人監督としては4人目のノミネートとなった『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスの一騎打ちになりそうだが、今回は史上最年少で全米監督組合賞を受賞し、『セッション』(14)に続いて高い評価を得ているチャゼル監督に軍配が上がるとの予測。

そして主演男優賞は、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で悲しみに満ち、激しくも静かな素晴らしい演技を見せるケイシー・アフレックの一人勝ちと言われる。しかし米ドナルド・トランプ大統領誕生によって男尊女卑が今まで以上にクローズアップされるなか、ケイシーのもみ消された感がある2件のセクハラ疑惑がオスカー会員にどのような影響をもたらすのか。

その後を追う『フェンシズ(原題)』のデンゼル・ワシントンは、同じ役でブロードウェイの舞台にも立っている点ではマイナスだと言われているが、実力は折り紙付きで最後まで予断を許さない。

また主演女優賞は当初、オスカーでは実在の人物を演じるのが有利とあって、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(3月31日公開)のナタリー・ポートマンが有力視されていた。

しかし、すでに『ブラック・スワン』(10)でオスカーを受賞している上に、賞レース後半戦では『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンと、実力派ながら初めてノミネートされた『エル(原題)』(夏公開)のイザベル・ユペールがぐいぐいと評価を上げている。

オスカーでは弱いと言われているミュージカル作品でエマが主演女優賞の栄冠を手にすることができるのか、もしくはオスカーの多様性につながるフランス人のベテラン女優イザベルが栄冠を勝ち取るのか、注目が集まっている。

助演男優賞は、『ムーンライト』のマハーシャラ・アリが断トツの強さを見せているが、その後を追う『LION/ライオン ~25年目のただいま~』(4月7日公開)のデーヴ・パテルの演技も圧巻。

助演女優賞は、『フェンシズ(原題)』のヴィオラ・デイヴィスが最有力候補ではあるものの、それを追う『ムーンライト』のナオミ・ハリスも侮れない存在だ。いずれにしても、同カテゴリーの受賞はアフリカ系の人物が受賞することになりそうだ。

ノミネートにも受賞にも多様性が見込まれる今年のオスカー。13部門14ノミネートを果たし、賞レースを席巻してきた『ラ・ラ・ランド』が、『ベン・ハー』(59)、『タイタニック』(97)、『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)の11部門受賞に並ぶのか?それとも新たな金字塔を打ち立てるのか?もしくはほかの作品が席巻するのか?結果が楽しみだ。【NY在住/JUNKO】