サッカー日本代表の次期監督に前ユベントス監督のイタリア人、アルベルト・ザッケローニ氏(57)が就任することが29日、明らかになった。 

 29日、極秘来日したザッケローニ氏は、日本サッカー協会の原博実強化担当・技術委員長(51)らと最終的な話し合いを持つ予定で、早ければ30日にも正式に就任が発表される。98~99年シーズンにACミランを率いてセリエAを制したイタリアの名将に、新生日本代表のタクトを託すことになった。
 混迷を極めた日本代表監督人事が、ついに決着の時を迎えた。原委員長が「3人いる」と明かしていた最終候補の1人であるザッケローニ氏が29日、極秘来日。関係者によると、きょう30日には原技術委員長、代表コーチに就任する予定の関塚隆代表臨時コーチらと今後に向けた細部の話し合いを持つ予定だ。
 日産スタジアムで行われたJリーグの横浜―新潟戦を視察した原委員長は、ザッケローニ氏の来日に関しては「ノーコメント」と言及を避けた。だが、交渉については候補者は1人とした上で「最後の大詰め。本当に細かいところの調整です。お互いに歩み寄っている。(日本で監督をしたい意向は)それは強いです」と説明。「われわれがいいと思っている人と(正式契約に)近づいている。日本の事情も大筋で理解してもらった」と条件面で大筋合意に達したことを示唆した。
 W杯招致活動のため成田空港から海外に出発した日本協会の小倉純二会長(72)も「最終的なところはお互い弁護士同士で話し合ってる。日本を理解してくれる人で申し分ない」と名前こそ出さなかったものの、ザッケローニ氏の就任を歓迎した。すでに、契約も単年契約を随時、更新していく方向で調整中。最終的な確認作業が済み次第、早ければ30日にも正式に発表される。

 ◆アルベルト・ザッケローニ 1953年4月1日、イタリア・メルドラ生まれの57歳。30歳の83年に当時4部のチェゼナーティコの下部組織で監督業をスタート。95年から指揮したウディネーゼではセリエA昇格、97~98シーズンに3位でUEFA杯出場権を獲得。その成績が認められ、98~99シーズンにACミランの監督に就任。1年目でスクデットを獲得して年間最優秀監督に選ばれた。01~02年ラツィオ、03~04年インテル・ミラノ、06年に当時、大黒(FC東京)が所属していたトリノ、10年途中からはユベントスを率いたが7位に終わった。大のインテリスタ(インテルのファン)。


 サッカー日本代表の次期監督に就任するアルベルト・ザッケローニ氏はイタリア・セリエAの名将として知られ、名門ACミランを率いて98~99年シーズンにはスクデット(リーグ制覇)を獲得。その後もラツィオ、インテル・ミラノなど強豪チームを指揮し、昨季もシーズン途中からユベントスを率いた。

 だが、最も評価されているのは、95年から98年までのウディネーゼ監督時代に発揮した手腕だ。地方の弱小クラブながら、攻撃的なサッカーを展開。ビアホフ(元ドイツ代表FW)、アモローゾ(元ブラジル代表FW)らを擁した97~98年シーズンには、強豪ひしめくセリエAで3位に食い込み、UEFA杯(現欧州リーグ)の出場権を獲得した。ビッグクラブ以外での実績も求めていた原委員長の監督像にザッケローニ氏はマッチしていた。

 ザッケローニ氏は正式契約を結び次第、9月2日からの日本代表合宿と同4日と7日に行われるキリンチャレンジ杯2試合を視察することになる。原代行監督の人選で構成された新生日本代表だが、大事な"初戦"に何とか体裁を整えた形となった。14年W杯ブラジル大会に向けて、史上初のイタリア人監督で日本代表が走り出す。


 イタリア出身のザッケローニ氏だが、カテナチオ(堅守)で知られるイタリア代表の戦術とは対照的に、これまで指揮したクラブでは大胆で攻撃的な戦術を導入している。 

 30歳で指導者のキャリアをスタート。95年から指揮したウディネーゼでは、当時イタリアでは革新的だった3―4―3を導入した。3トップの中央には長身FWを置き、両ウイングなどサイドからのクロスで多くのチャンスをつくった。98年に就任したACミランでも同じ3―4―3を採用し、当時のベルルスコーニ会長からは4バックに戻すことを命じられたが、信念を曲げることなく3バックを貫いた。

 その後は4―3―3など選手構成に応じて4バックも採用しているが、3トップとサイドを有効に使う戦術はほとんど変えていない。06年のトリノ監督時代には大黒(現FC東京)を指導した経験もあり、日本人選手の特徴もつかんでいる。ただ、ミランでの優勝以降、目立った結果を出していないため、イタリアでは"過去の名将"との声も聞かれる。


 30日付のイタリア紙レプブリカは、サッカーの同国1部リーグ(セリエA)のACミランやユベントスを率いた経験を持つアルベルト・ザッケローニ氏(57)が、日本代表次期監督の契約締結のため、日本へ向かったと報じた。

 同紙はザッケローニ氏が日本代表監督就任まで「あと一歩と迫った」とし、条件面については236万ドル(約2億円)の2年契約で、2年間延長のオプションが付いていると報じた。公式大会での初采配は、来年1月のアジア・カップ(カタール)と紹介している。

 交渉の窓口になっている日本サッカー協会の原博実強化担当技術委員長は30日、名前は明かさなかったが「(交渉は)最終局面。お互いの弁護士を通じて細かい部分のやりとりをしている」と状況を説明した。(共同)