5月10日に発売されたMr.Childrenのベストアルバム『Mr.Children 2001-2005 <micro>』『Mr.Children 2005-2010 <macro>』がそれぞれ約90万枚のセールスを記録。低迷続くJポップ界では出色のヒットとなったが、水面下ではMr.Childrenの活動継続をめぐって激しい綱引きが行われているという。


 バンドの活動休止、そしてソロ活動への転身を望むボーカル桜井和寿と、あくまでもバンド継続を主張する所属事務所・烏龍舎。既報のそうした構図に変化が生まれそうだと、音楽業界関係者は証言する。


「今回のベストアルバムは有名なシングル曲が中心で、新曲やボーナストラックが入っていません。"オマケ"をたくさん付けてベストを売る昨今の音楽業界の風潮から見ればかなり異例ですが、次のシングルの発売を望む事務所側がレコード会社を押し切る形で決定したそうです。しかし、フタを開けてみたら想定以上の大ヒット。バンドメンバー、事務所ともに新曲を作るモチベーションが下がってしまい、このまましばらく休もうか、という方向に落ち着きそうな気配です」


 そこで再度浮上しているのが、桜井和寿のソロデビュー計画だ。


「烏龍舎がエイベックスと共同で設立したレーベルOORONG RECORDSは、所属のレミオロメンの活動休止などもあって、ほとんど稼働していないのが現状です。そのテコ入れを兼ねて、桜井のソロアルバムを出すという話は以前から聞こえてきましたが、ここにきてバンド休止とセットの形で、ソロ話が現実味を帯びてきました」(前出の関係者)


 Mr.Childrenの所属レコード会社であるトイズファクトリーでは、売れっ子の一角だったケツメイシが5月4日にエイベックスへの移籍を発表したばかり。今後、Mr.Childrenの活動休止と、桜井の実質的なエイベックス移籍が実現すれば、トイズファクトリーは会社の弱体化をまぬがれない。


「トイズファクトリーは利益至上主義の音楽業界では異色の会社で、ビジネスにあまり執着せず、権利の大半を事務所側に委ねたりしてきました。そのため、同社と契約を結ぶ大手事務所も多かったのですが、ここにきてCDの売り上げ自体が激減。"取り分が多い"というメリットを感じられなくなった大手事務所が、ライブ動員増などを期待してプロモーション力のあるエイベックスに所属のバンドや歌手を移籍させる動きが止まらないのです。今後のトイズファクトリーは、良心的なミュージシャンの作品を地味に出す、半インディー半メジャー的な会社になっていくのではないか」(別のレコード会社関係者)


 記録的なヒットで、バンド休止の可能性がかえって高まるとすれば、レコード会社にとっては皮肉な結末。いずれにしても、Mr.Childrenの新曲が聞けなくなるのは残念な話である。