岩手県滝沢市立滝沢南中学校の2年生男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、調査していた学校側が「いじめと疑われても仕方ない事案」と明らかにした18日夜の保護者説明会。当初「いじめは確認されていない」としていた学校側が、いじめの可能性を示唆する証言が生徒などのアンケートから出てきたため修正した形だ。一方、いじめの有無をただした男子生徒の父親(40)や他の保護者は「結果的にいじめはなかったという内容に聞こえる」と不信感を募らせ、両者の溝は埋まらないまま。父親らは第三者による調査を求めている。【安藤いく子、手塚さや香】

 昨年9月に施行されたいじめ防止対策推進法ではいじめを「心身の苦痛を感じているもの」と定義。校長は説明会終了後の記者会見で、この定義を踏まえ「嫌なことを言われる、軽く頭をたたかれる、筆箱をひっくり返されるという行為は認められ、亡くなった生徒が不快に感じたと思う。ただ、苦痛を感じていたかは本人が亡くなっているため推測しかできない」といじめと断定できない理由を述べた。認定した行為と自殺との因果関係については「判断できない」とした一方、「死のうかな。電柱に首つって」など自殺をほのめかす発言を6、7人の生徒が聞いていた。

 また父親に12日、「遊びの延長だった」と説明した行為について学校側は「普段から同級生と筆箱をひっくり返したり、されたりをしていたため遊びの延長ととらえた。他は遊びの延長ではない」とした。説明会終了後、報道陣の取材に応じた父親は「学校側は手短に(いじめが)あったかなかったかはっきり答えてほしかった。学校側にはもう望めないので第三者に調査してほしい」と話した。


 岩手県滝沢市の市立滝沢南中学校は18日、2年の男子生徒(当時13歳)が5月末に自殺した原因を調査した結果、「いじめと疑われても仕方ない事案があった」と保護者説明会で報告した。同級生や保護者へのアンケートや聞き取りで「他の生徒がたたいていた」「嫌なことを言われていた」「筆箱をひっくり返されていた」などの回答があったという。

 生徒は5月31日朝、自宅近くの電柱にひもを結び、首をつっているのを発見された。県警によると、遺書は見つかっていない。学校は当初、「いじめは確認していない」と説明。父親(40)は「いじめがあったと他の保護者から聞いている」などと訴えた。原因究明を求める声が高まり、学校側は校長をトップに市教育委員会職員らを交えた調査委員会を設置して調べていた。【安藤いく子、手塚さや香】


 岩手県滝沢市で5月末、市内の中学2年の男子生徒=当時(13)=が首をつって自殺した問題で、市教委は22日、市議会全員協議会で、遺族の要望があれば第三者委員会を設置する方針を明らかにした。

 市教委によると、メンバーは弁護士や精神科医、大学教授ら5人程度になる見込み。人選に遺族の意向を反映するかどうかについては、公平、中立の立場から慎重な姿勢を示した。結論を出すまでに要する期間は、他の自治体の例を参考に3~4カ月とした。

 全校生徒、保護者を対象に行ったアンケート結果も示され、市議からは「書いたことが(市教委がまとめた)調査報告に載っていないという不満を聞く」「第三者委を早急に立ち上げ、学校の運営を正常に近づける努力をしないと、市の教育が問われる」などといった意見が出された。

 市教委は今秋をめどに全小中学校を対象にしたいじめの実態調査を行うことも明らかにした。
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