ライブドアグループに今度はインサイダー疑惑が浮上した。同社が中古車販売「ジャック・ホールディングス(現ライブドアオート)」の子会社化を発表する直前の昨年8月25日、ジャック株の出来高が前日の約13倍と異常に膨らみ、株価が急騰していたことが28日、分かった。ジャック社は今月から社名変更。堀江貴文容疑者(33)の「回転CM」で明るいイメージをアピールしていた。

 ライブドアがジャック社(東証2部上場)の買収、子会社化を初めて発表したのは昨年8月25日午後6時すぎ。ジャック社が、ライブドアを引受先とする総額約135億円の第3者割当増資を実施し、ライブドアが筆頭株主になるという内容だった。

 一般的に、買収される会社の株は買収発表後、高騰する場合が多い。しかし、この日は発表前の取引時間中(午前9時~午後3時)すでに、ジャック株は異常な動きをしていた。買収発表は東証の取引が終了してから約3時間たった後だったにもかかわらず、8月25日の出来高は約2430万株。前日(約180万株)の13倍超にも達した。

 さらに株価も暴騰し、前日の終値135円から、21円高の156円まで上昇した。売買代金も前日比15倍超となり、突然の大商いになった。事前に「買収発表」のインサイダー情報を知った何らかの勢力が、一足先に全力でジャック株を買った可能性が推察されるほど、異様な値動きだった。 東証は、この直後から証券会社などから聞き取り調査を開始した。この結果、子会社化発表などの内部情報を知り得た人物が大量の買い注文を出した疑いがあると判断。この日までに「(ジャック株)取引の経緯に不自然な点がある」として証券取引等監視委員会に報告した。

 証券監視委は現在、東京地検特捜部と合同でライブドアによる証券取引法違反事件の調査を進めており、この件に関しても「インサイダー取引の疑いが濃い」として、押収資料などから解明を急いでいる。また、ライブドアやジャック社関係者から事情を聴く方針。

 ジャック社の経営は最近、一時揺らいでいた。昨年、元会長が巨額横領で実刑判決を受けた。筆頭株主も04年ごろからは村上世彰氏(46)の「村上ファンド」や、女優杉田かおるの前夫・鮎川純太氏(45)の投資ファンドなどめまぐるしく変わった。

 買収された後はイメージ刷新に躍起で、今年1月から社名を「ライブドアオート」に変更。堀江容疑者自ら「カイテン、カイテン」と叫びながらくるくる回るCMに登場したり、元日に一日店長を務めるなど、かつての面影を払しょくしつつあった。今回の証券取引法違反事件発覚後、ライブドアオートは再度の社名変更や、ライブドアとの関係見直しを検討するなど、イメージ低下を防ぐのに必死だが、今回の疑惑発覚で再び暗雲が垂れ込めそうだ。
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