大阪市此花区のパチンコ店で2009年に5人が死亡し、10人が重軽傷を負った放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた無職高見素直(すなお)被告(45)の控訴審判決が31日、大阪高裁であった。中谷雄二郎裁判長は求刑通り死刑とした一審・大阪地裁判決を支持し、高見被告の控訴を棄却した。

 11年10月の一審判決によると、高見被告は09年7月5日、自宅近くのパチンコ店にガソリンをまいて火をつけ、客4人と従業員1人を殺害し、10人に重軽傷を負わせた。弁護側は一、二審で「被告は妄想の影響を受けており、責任能力は限定的だった」と指摘。さらに絞首刑は残虐な刑罰を禁じた憲法に反すると主張していた。




 大阪市此花区で2009年、パチンコ店に放火して5人を殺害、10人を負傷させたとして殺人と現住建造物等放火罪などに問われた無職高見素直被告(45)の控訴審判決で、大阪高裁は31日、求刑通り死刑とした1審・大阪地裁の裁判員裁判の判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 中谷雄二郎裁判長は「極めて残虐で身勝手な犯行」と述べた。弁護側は上告する方針。

 控訴審では、1審同様、被告の責任能力と、絞首刑による死刑が憲法で禁じる残虐な刑罰に当たるかどうかが争点となった。

 中谷裁判長は、犯行当時の被告の精神状態について「妄想はあったが、物事の善悪を判断し、それに従って行動する能力が著しく低下していたとは言えない」と認定。「精神疾患で妄想に大きく影響され、心神耗弱状態だった」とする弁護側の主張を退けた。




 大阪市此花区のパチンコ店で2009年、5人が死亡した放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた高見素直被告(45)の控訴審判決が31日、大阪高裁であった。中谷雄二郎裁判長は、求刑通り死刑とした1審・大阪地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。




 大阪市此花区で平成21年7月、5人が死亡したパチンコ店放火殺人事件で、殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた無職、高見素直被告(45)の控訴審判決公判が31日、大阪高裁で開かれた。中谷雄二郎裁判長は、求刑通り死刑を言い渡した1審大阪地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。

 控訴審で弁護側は「被告が犯行に及んだのは妄想に侵されたためで、刑事責任能力の有無と程度に重大な疑いがある」などと改めて主張。犯行の端緒を精神疾患としながら完全責任能力を認めた1審判決を批判していた。

 また弁護側は「絞首刑は残虐な刑罰。時代と環境に照らして判断してほしい」として、1審同様に死刑の違憲性を訴えていた。

 1審判決によると、高見被告は21年7月5日夕、此花区のパチンコ店でガソリンを床にまいて放火し、客や従業員ら5人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。




 大阪市此花区で平成21年に5人が死亡したパチンコ店放火殺人事件で、殺人や現住建造物等放火罪などに問われた無職、高見素直被告(45)の控訴審判決公判が31日、大阪高裁で開かれた。中谷雄二郎裁判長は求刑通り死刑を宣告した1審大阪地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。弁護側は上告する方針。

 控訴審で弁護側は「被告の刑事責任能力に重大な疑いがある」などと改めて訴えたが、中谷裁判長は判決理由で「犯行時やその前後を通じて特に異常な言動はなく、周囲の状況を正しく認識しながら合理的な行動を取っていた」と指摘。「妄想はあったが、物事の是非善悪を判断し行動する能力は著しく減退していなかった」と述べた。

 弁護側は「絞首刑は残虐な刑罰」として死刑の違憲性も主張。中谷裁判長は、絞首刑について「140年前に定められたものが、新たに法整備されず放置されているのは立法政策として望ましくない」と言及したが、「残虐といえるほど不必要な苦痛を与えるとはいえない」と退けた。

 判決によると、21年7月5日夕、パチンコ店でガソリンを床にまいて放火し、客や従業員ら5人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。

 死亡した延原(のぶはら)麻衣さん=当時(20)=の母、晋子(くにこ)さん(53)は判決後に記者会見し、「判決は当然の結果。1、2審を傍聴してきたが、なぜ娘が亡くなったのかは分からないまま。絞首刑の違憲性をこの事件の裁判で争うのはやめてほしい」と話した。




 大阪市此花区のパチンコ店で2009年に5人が死亡した放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた無職、高見素直被告(45)の控訴審判決が31日、大阪高裁であった。中谷雄二郎裁判長は「極めて残虐な犯行で、社会に与えた衝撃は大きい」と述べ、求刑通り死刑とした1審・大阪地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。被告側は上告する方針。

 弁護側は犯行時、心神耗弱状態だったとして死刑の回避を求めたが、判決は「妄想が直接影響を与えたとまでは言えない」と指摘、1審同様に完全な刑事責任能力を認めた。

 弁護側が主張した、絞首刑の残虐性を理由にした死刑の違憲性については「絞首刑で苦痛を感じる時間は短時間にとどまり、残虐とまで評価できない」として合憲と判断した。

 ただ、執行方法が1873(明治6)年の太政官(だじょうかん)布告で決められたことに触れ、「現行の執行方法は実際には布告と食い違っている。新たな法整備をしないまま放置し続けていることは、立法政策として決して望ましくない」と言及した。

 判決によると、高見被告は09年7月、生活への不満から無差別殺人を計画。此花区のパチンコ店にガソリンをまいてマッチで放火し、客や従業員の男女5人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。

 アルバイト中に亡くなった延原麻衣さん(当時20歳)の母晋子(くにこ)さんは大阪市内で記者会見し、「判決は当然。ただ、公判をすべて傍聴してきたが、どうしてこんな事件を起こしたのか分からないままだった」と話した。居間にある麻衣さんの遺影に判決を報告するという。【渋江千春】



 大阪市此花区のパチンコ店で2009年に5人が死亡した放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた無職、高見素直被告(45)の控訴審判決が31日、大阪高裁であった。中谷雄二郎裁判長は「極めて残虐な犯行で、社会に与えた衝撃は大きい」と述べ、求刑通り死刑とした1審・大阪地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。

 判決は絞首刑の合憲性を認めた一方で、絞首刑が1873(明治6)年の太政官布告で決められたことに触れ、「140年も法整備をせず放置し続けるのは、立法政策として決して望ましくない」と異例の言及をした。国民的合意を得るよう、死刑の執行方法について国会などに議論を促したものとみられる。

 絞首刑について残虐でないとした判決だが、「現行の執行方法は細部とはいえ、布告の規定と数多くの点で食い違いが生じている」とも指摘した。

 絞首刑は死刑囚が乗った踏み板が開き、落下して首にかかった縄が絞まる方式。布告を根拠とするが、弁護側によると、踏み板から下の階の床までの距離や縄の長さなど、複数が変更されている。

 龍谷大法科大学院の石塚伸一教授(刑事法)は判決について「布告当時は絞首刑は公開を前提にしており、現代とは意味合いが違う。現状を放置すれば絞首刑自体が違法になる可能性があると指摘したものだ」と評価した。

 1審で弁護側証人として絞首刑の残虐性を訴えた元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授(刑事法)は「死刑の執行方法を議論してこなかった立法府の怠慢を、高裁が明らかにしたことになり、大きな意義がある」と話した。【渋江千春、内田幸一】