宇宙航空研究開発機構は30日、筑波宇宙センターの業務用パソコン(PC)1台がコンピューターウイルスに感染し、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロン」の仕様などに関する情報が外部に漏えいした可能性があると発表した。感染経路や時期、流出先などを詳しく調べる。
 機構によると、今月21日、社内ネットワークに接続された業務用PCでウイルスを検出。詳しく調べたところ、イプシロンロケットや、H2A、H2Bロケットなどの情報をウイルスが収集し、外部と通信した形跡が見つかった。
 ネットワークは一般業務用で、ロケットなどの運用に直接使われたり、高度な機密情報を取り扱ったりするものではないという。 


 【田中誠士】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月30日、技術職員が業務で使用していたパソコン1台がウイルスに感染したと発表した。パソコンには、初号機の打ち上げを来年に控えた国産新型ロケット「イプシロン」の仕様や運用にかかわる技術情報が保存されており、外部に送信された疑いがあるという。

 JAXAによると、パソコンは筑波宇宙センター(茨城県つくば市)に勤務する「イプシロン」の技術担当の男性が使用していた。ウイルス対策ソフトで21日に感染がわかった。ネットワークから切り離して調査したところ、ウイルスによってパソコン内の情報がまとめられ、外部と通信したことが28日までに確認されたという。

 パソコンにはイプシロンのほか、2006年に引退した固体燃料ロケット「M(ミュー)5」、基幹ロケット「H2A」「H2B」の仕様や運用に関わる情報、会議の議事録などが入っていた。

 感染経路は不明だが、設計図など特に重要な情報はパソコンには保存させないようにしていたという。今後、実際に漏れた情報の特定などを進める。


 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、職員の端末1台がコンピュータウイルスに感染し、各種情報が外部に漏洩した可能性があることを発表した。11月28日に判明したもので、来年の打ち上げを目指して開発中の「イプシロンロケット」に関する情報も含まれているという。

【画像】JAXAによる発表など

 漏洩した可能性があるのは、イプシロンロケットの仕様や運用に関わる情報、イプシロンロケット開発に関連するM-Vロケット、H-IIAロケットおよびH-IIBロケットの仕様や運用に関わる情報となっている。「イプシロンロケット」は、2006年に廃止されたM-Vロケットの後継として開発されている固体ロケット。さまざまな新技術を導入することで、コストパフォーマンスを改良した機体として、2013年度に実証機「E-X」、2017年度以降に改良型「E-I」が打ち上げられる計画となっている。

 JAXAでは、11月21日に当該端末でウイルスを検知し、直ちにネットワークから切り離し調査したところ、11月26日に当該端末がウイルスに感染していることが確認された。さらに調査を進めたところ、11月28日にウイルスによる情報収集がなされていた痕跡、および外部との通信も確認されたとしている。現在、JAXAでは漏洩した可能性のある情報内容の特定および原因究明に取り組んでいるとのこと。


 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、筑波宇宙センター(茨城県つくば市)の技術系職員が使用するパソコン1台がウイルスに感染し、開発中の新型固体燃料ロケット「イプシロン」などの情報が外部に流出した可能性があると発表した。

 JAXAによると、流出した可能性があるのはイプシロンの仕様や運用に関する情報のほか、同機の開発に関連するH2Aロケットなどの情報。ウイルスがパソコン内を情報収集した形跡があり、外部と通信していたことも確認された。流出の有無を調べている。

 ウイルス対策ソフトが21日に検知し、26日に専門業者の調査で感染が判明した。JAXAは感染原因を調査するとともに、他のパソコンの感染の有無についても調べている。

 イプシロンは科学衛星用などに開発中の小型ロケットで、来年夏に内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)で初号機を打ち上げる予定。

 JAXAでは今年1月にも職員のパソコンがウイルスに感染し、米航空宇宙局(NASA)が保管する国際宇宙ステーション(ISS)関連の文書にアクセスできるパスワードや物資補給機「こうのとり」の情報などが外部に漏れた可能性が判明している。



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開発中のイプシンロケット