「今太閤」と呼ばれた父、田中角栄元首相の威光で、過去の選挙は圧勝だった田中真紀子文科相。今回、落選の黄信号が点滅している。
 自民党の情勢調査や報道機関の世論調査で、自民党の長島忠美前衆院議員に頭1つ、リードを許している。真紀子氏も逆風を自覚しており、選挙最優先の日程を組んでいる。
 「前回の選挙で、推薦返上までした連合新潟に、真紀子氏が自ら頭を下げて、推薦を願い出たことでも苦しいのは歴然だ」(県議会関係者)
 しかし、頼みの「連合」も推薦を見送り、支持のみ。また、真紀子氏当選の原動力となってきた無党派層離れも著しい。
 「今まで、真紀子氏は『凡人、軍人、変人』など、歯にきぬ着せぬ発言で笑いを取り、聴衆をひき付けたが、3・11以降、空気は変わった。真紀子氏の他人を傷つける発言に、有権者は笑えなくなっている」(同)
 さらに足を引っ張ったのが夫、直紀氏の防衛相就任だ。
 安全保障や防衛政策の基礎も理解しておらず、秘書官同席で国会答弁を行い、「腹話術をやめろ」と批判された。委員長の了解なく予算委員会室から抜け出し、議員食堂でコーヒーを飲んでいて、「もうコーヒーは飲まない」と釈明するなど、無能ぶりを露呈。問責決議を可決された。
 その後、真紀子氏が文科相に就任したが、来春開校予定の3大学の設置申請を不認可として、大混乱を引き起こした。夫婦揃い踏みの「ハク付け大臣就任」が逆効果になったのだ。苦しい真紀子氏は今回、16年ぶりに比例と重複立候補の布石を打っている。
 一方、自民党の長島氏は、新潟県中越地震の際、山古志村長として住民避難や生活再建に取り組み、知名度や人気が高い。後援会長には、角栄元首相の最強後援会「越山会」の元青年部長という星野伊佐夫県議が座る。
 「星野氏は選挙の裏の裏まで熟知している。早い段階から動き、真紀子氏の支援者をオセロゲームのようにひっくり返している。長島氏の母校、長岡高校同窓生が奔走しているのも強い」(長岡市議)
 前職2人の激突に割って入ったのが、地元出身の医師兼弁護士で、「日本維新の会(維新)」の米山隆一氏だ。過去2度の選挙は、自民党から出馬して、真紀子氏をギリギリまで追い詰めた。
 「長島氏と二人三脚でやってきた米山氏が対立候補となった。長島氏と支持者が重なるが、維新は無党派層に強いため、真紀子氏の票を食う可能性もある。正直読めない」(自民党県連幹部)
 三つどもえのデスマッチか。(ジャーナリスト・田村建雄) 
【新潟5区(長岡市など)主な立候補予定者】
▲田中真紀子68 民主前
△長島 忠美61 自民前
 服部 耕一43 共産新
▲米山 隆一45 維新新
(記号は夕刊フジの分析。△=やや優勢、▲=やや苦戦)


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田中眞紀子文科相(民主党)

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長島忠美衆院議員(自民党)

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服部耕一(日本共産党)

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米山隆一(日本維新の会)

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田中直紀元防衛相(民主党)

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田中角栄元首相(自民党【当時】)