この夏の大本命と目されている『ジュラシック・ワールド』が、2015年8月5日より日本でも公開となる。
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6月12日に全米をはじめ世界各国で封切られて大ヒットし、6月12、13、14日のオープニング週末3日間興行成績は全世界合計で5億2410万ドル(約630億円/1ドル120円換算)。これまでオープニング週末3日間で歴代トップだった『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』(2011年)を超え、堂々の1位を記録した。
その後も勢いは衰えず、公開7週目を迎えた7月21日には世界興行収入が15億2200万ドル(1826億4000万円/1ドル120円換算)を突破し、『アベンジャーズ』に代わり、世界歴代興収3位に躍り出た。また全米興収も7月24、25、26日の週末3日間で6億5867万ドル(790億4040万円)に達し、全米の歴代3位にランクアップした。
日本でも本シリーズは、1作目の『ジュラシック・パーク』(1993年)が配給収入83億円(推定興収141億円)を記録し、その年のNO.1ヒットとなっており、今夏も大ヒットとなることが確実視されている。
本作の魅力に迫ってみよう。
●遺伝子工学によって蘇った恐竜が大暴れしてきた過去3作
本シリーズはこれまでに、マイケル・クライトンの原作小説をもとにスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化した1作目『ジュラシック・パーク』(1993年)、スピルバーグが監督を続投した2作目『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997年)、監督が『ジュマンジ』『遠い空の向こうに』のジョー・ジョンストンにバトンタッチされた3作目『ジュラシック・パークIII』(2001年)の3本が製作されてきた。
1作目は、太古の琥珀に閉じ込められたDNAから遺伝子工学によって恐竜を蘇らせ、孤島にテーマパークを開こうとするが、オープン前にトラブルに見舞われ、檻から恐竜が解き放たれてしまうという内容。その後、2作目、3作目でもテーマパークはオープンすることはなかった。
●安全なはずのテーマパークが一線を越えた研究がもとで大パニックに
今回の『ジュラシック・ワールド』は、ついにテーマパーク「ジュラシック・ワールド」がオープンし、賑わっているところから始まる。
子どもたちはおとなしいトリケラトプスの赤ちゃんに乗り、モササウルスが水中からジャンプしホホジロザメにかぶりつくなど、まるでイルカショーをスケールアップしたようなショーが行われている。家族連れが多い観光客たちは、安全な環境のもとそうした恐竜たちを眺め、楽しみ、感激しているのだ。
一方、パーク内のすべてを監督する立場にある野心家のクレア(ブライス・ダラス・ハワード)のもと、パーク内の恐竜を蘇らせた遺伝子学者のヘンリー・ウー博士(B・D・ウォン)は、倫理上の一線を越え、遺伝子操作された恐竜の研究を続けていた。
今、成長しているのはどう猛で狡猾な大型恐竜インドミナス・レックス。このインドミナス・レックスが、絶対破られるはずのなかった檻の中から外へと逃げ出してしまったことから、笑顔あふれるはずのパーク内が、大パニックになっていく。
●恐竜がリアルすぎて小さい子どもには刺激強すぎ!?
本作最大の見どころは、言うまでもなくVFX(特殊視覚効果)技術によってスクリーンに蘇った恐竜たちだ。『ジュラシック・パーク』でも驚いたが、あれから22年という歳月の間に、いかにVFX技術が進歩したかを実感させてくれるだろう。
1作目と比べてしまう人もいるかもしれない。どっちが面白かったとは確かに言えない。だが、もし過去のシリーズ作を1作も見ていない人(子どもを含め)と足を運んだら、見終わったあとにきっと、初めて見た恐竜たちのリアルさに興奮し、感謝されるに違いない。実際、過去作を見たことがない人の反応は相当良いようだ。
また、ブライス・ダラス・ハワード扮するクレアの甥っ子2人が、このテーマパークを訪ねてくる設定も興味深い。16歳のザック(ニック・ロビンソン)と11歳のグレイ(タイ・シンプキンス)がクレアのもとを訪れるも、2人の相手をしている時間がないクレアは、部下をお目付役に付け、2人にフリーパスを渡すのだが、付き添いをまいた2人は、自分たちだけで見学。その間に、恐竜が暴れ始めてしまうのだ。
やがて恐竜に出くわしてしまった2人が繰り広げる冒険物語は、小学校の高学年から高校生くらいまでにとっては、そのまま自分たちの冒険物語にもなり、リアルな目線で楽しめるに違いない。ただし、スクリーンに現れる恐竜は思いのほか怖いので、小さい子どもはトラウマになる可能性もあるのでご注意を!
●すでに続編製作も決定!
メガホンをとったのは、初の長編映画がサンダンス映画祭で高く評価された新人コリン・トレボロウ。見事、本作を歴史に残る大ヒット作へと仕上げたが、そのトレボロウ監督が映画化に当たって望んだのは、自分が初めて1作目を見たときの感動を観客に伝えること。「『ジュラシック・パーク』の公開日は学校が夏休みに入る前日だったから今でも鮮明に覚えている。映画館で1人、『ジュラシック・パーク』の世界にのめりこんだ時の気持ちが蘇ってくるよ」と話している。
冒頭にも記した世界的大ヒットを受け、すでに続編製作も決定した本作。この夏日本でも、大ヒットは間違いないだろう。